かんざらしと壊れた時計

 

時計屋さんがピカピカにみがいてくれていた。ありがとうございました。

 

とうとう動かなくなってしまった。

この時計は父からもらったもので、父が会社に勤めていたころに買ったという古いもの。たしかわたしも高校生くらいから使っていたと思う。

機械式で電池交換の必要もなく(なんか時計本体だけで自立してるところが気に入ってた!)、オールステンレスでかっこいい。手首に合うよう調節してもらい、30年近く使ってきた。父の時代から数えると何年になるのだろう。

 

すぐに時計屋さんに持っていったところ、中の部品がちびてしまっていて巻き戻らないそう。古いものなので同じ部品もなく修理不可能とのこと。

 

ああ。これは、寿命。

と、

思うと同時に、時計と年を取った父の姿がが重なり、急激に寂しい気持ちになる。

うん。どんなモノだっていずれ壊れ、役目を終えるときがくるんだから・・・。

子供のころほとんど話もしなかった父。単身赴任もしていたし、仕事でほとんど家に一緒にいることもなかった父が、年になんどか実家に帰った時、「おっ。その時計今も使ってるんか。高かったんだぞ」などと、めずらしく嬉しそうにしてたっけ。

 

モノには執着しない私だけど、きっと永久に動くことのないこの時計だけは、捨てることができないと思う。

 

 

 

10月に雲仙普賢岳に登りに行ったときに、かんざらしという、甘くて冷たい白玉団子のデザートを食べた。

あちこちにきれいな湧き水が流れる通りを歩き回り、疲れた体に沁みわったかんざらし

夏になったら作らなきゃ。と思っていたのですが、ザラメを買ってきてやっと作りました。

今日も外は酷暑。家でのんびりクーラーの効いた部屋で食べるかんざらしもおいしいけれど、やっぱり旅先の空気のなかで食べたものにはかなわない。

いろんなことがよみがえる。

ひとりで勇気を出して入って食べたお好み焼き定食。(お好み焼きにご飯はありです!)

親切だった宿の主人。山の中なのにかなりしょっぱい温泉。岩をよじ登った先に見た景色。(この辺から岩登り好きになったのかも) 出会った登山者の方がた。帰り道が事故で通行止めになり、山道を大回りしてフェリーの時間に間に合うかひやひやしながら運転したこと。バックミラーの夕日。・・・

今週のお題「最近壊した・壊れたもの」

 

ちゃんと思い出は引き出しの中にしまってあったらしい。

家の中で考える。

秋なったらどこへ行こうかな。

10月頃まで暑さは続くらしいといわれているそうですが、お願い。はやく涼しくなって下さい。